当院では最新の機器で診断を行います
機器の数々をご紹介
■ 眼科一般検査
オートレフケラトメーター (Auto Refract-Keratometer)
眼科では、ほぼ誰もがこの機器での検査を行いまます。
これは「屈折計」と「角膜計」の2つの機能を持った機器です。
- 屈折計
- 眼の遠視・近視・乱視とその程度を測定します。分かりやすく言えば、近視や遠視の強い・弱いを屈折力で表す器械です。
日常でよく「目の度」という表現をしますが、この「目の度」をこの装置で測定します。度が大きいほど遠視・近視・乱視が強いと言えます。コンタクトレンズのパッケージやメガネの処方箋に書いてあるのがこの屈折度数であり、「度」=「視力」ではありません。
矯正視力検査は、この装置で得られた屈折値をもとにしてを行います。
- 角膜計
- 黒目のカーブ測定して、角膜の屈折力を調べます。カーブの状態を調べる事は、白内障手術・LASIK・コンタクトレンズの処方の際には不可欠です。
眼圧計 (Tonometer)
眼球内圧を調べる装置です。
眼球の内部は「房水(リンパ液の一種)」という液体によって保たれ、健康な眼はほぼ一定量ですが、房水の生産量と流出量のバランスが崩れると変動して眼圧の変化が生じ、それを測定して目の異常を知る重要な手掛かりとします。
「高眼圧症」や、「緑内障(視野に欠損がみられる)」、「網膜剥離」や「虹彩毛様体炎」などの目の病気にかかっているかどうかを調べる事ができる大切な検査です。
眼底カメラ (Retinal Camera)
眼底とは、目の奥の網膜や血管などがある部位の事で、全身の中で、唯一、直接血管を見る事ができます。
眼底カメラは、眼底血管の走行状態や出血の有無、網膜の状態など眼底画像の記録に広く用いられ、多くの眼科疾患の診断に役立ちます。
特に、散瞳型眼底カメラを用いた蛍光撮影では、血管内の血流状態を写し出す事ができるため、さらに精密な診断が可能です。
眼底の血管を診察する事で、全身の血管の状態を推測でき、高血圧や動脈硬化の進行、糖尿病など全身疾患を発見する手掛かりになります。そのため眼科疾患だけではなく、生活習慣病健診にも眼底カメラは活躍しています。
先進諸国での失明原因の上位は、「加齢性黄斑変性」、「緑内障」、「糖尿病性網膜症」です。
「加齢性黄斑変性」、「緑内障」は、加齢とともに発症する可能性が高くなります。今後、老齢人口が急増すると推定される中、これら疾病の予防のため、眼底カメラが活躍する機会は増えるものと予想されます。
また、糖尿病患者も年々増加する傾向にあり、国内だけで糖尿病が疑われる人は740万人を超えており、合併症の一つである網膜症の検査において、眼底カメラはますます注目されています。
現在、40歳以上の17人中1人が緑内障であると言われております。
■ 網膜疾患
OCT (Optical Coherence Tomography) 光干渉断層計
この装置は、眼球に近赤外光を照射し眼底網膜部からの散乱反射光をコンピューター処理して網膜の断層画像を表示するものです。眼底の病変を、CTやMRIのような断層画像として提示できるようになり、網膜の病気に対する治療方針の決定や、治療効果の判定に有意な最先端装置です。
この「OCT」を必要とする代表的疾患は、「黄班円孔」、「黄班前膜」、「糖尿病黄班症」、「黄班浮腫」「加齢黄班変性」、「網膜剥離」、「緑内障」等があります。
レーザー光凝固術 (Laser Photocoagulation)
「レーザー光凝固術」は、現在の眼科には不可欠の治療法となっています。
この装置は、眼底網膜の病変部にレーザーを照射する事で、黄班前膜、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、緑内障など眼底疾患の進行を抑制します。
このレーザー装置の特徴は、4色(赤、黄、黄緑、緑)の凝固光が選択できる点であり、様々な疾患により適切な波長のレーザー光を用いる事で、適切な治療効果を得る事が最も特徴的な点です。
■ 角膜疾患
角膜形状解析装置 (Topography)
角膜形状解析とは,文字通り角膜の形を調べる検査のことです。
この装置は同心円を角膜に反射させる事で、肉眼では把握できない形状をコンピュータ解析し、角膜の表面や裏側のカーブ、凹凸や厚み、乱視の有無、形状異常の有無などの詳細な情報を取得します。
レーシック等の視力矯正手術やコンタクトレンズ処方の際には欠かせない装置です。
角膜内皮細胞測定装置 (Specular Microscope)
角膜内皮細胞とは、角膜をなす表層・中層・深層のうち深層にある細胞です。この細胞は分裂能力がなく、一度傷つくと再生しない重要な細胞で、1平方ミリメートル当たり2,500〜3,000個程度存在するのが正常とされており、500個を下回ると角膜浮腫が起こる可能性が高くなります。
また白内障の手術をするには角膜内皮が障害されるリスクがあるため、1,000個に満たない人では手術できない場合もあります。
つまり角膜内皮細胞の解析は、白内障をはじめとする内眼手術の術前や、コンタクトレンズ装用者の定期健診に必須であり、レーザー虹彩切開術、レーシックの適応を考える上でも必要とされています。
他にも角膜疾患の経過観察や角膜移植の術後管理において欠かせない装置となっていいます。
■ 白内障
眼軸長測定装置 (Axial Length Measurement)
眼軸長とは、角膜頂点から網膜までの距離(長さ)の事を言います。
眼軸長の測定には、X線光覚法やX線画像による方法などが用いられてきましたが、正確で簡便に測定できるため近年では超音波による眼軸測定が広く普及しています。
測定の方法にはAとBとがあり、
Aは Amplitude(振幅)であり、
Bは Brightness(輝度)を意味します。
レンズから焦点まで、つまり「眼軸」の長い人は近視、短い人は遠視の傾向にあり、従ってこれらの機器によってより正確な数値を得る事は、白内障手術前の検査精度向上に欠かせません。
YAGレーザー (Yttrium Aluminum Garnet Laser) 後発白内障
白内障の手術後、数ヶ月〜数年して、再び「まぶしくなる」「眼がかすむ」事があります。
これは「後発白内障」と言われる症状で、手術の際に残しておいた水晶体の後嚢が濁ってくるために起こります。
「後発白内障」は手術の必要がなく、レーザーを使って簡単に濁りを取る事ができます。視力はすぐに回復し、入院の必要もありません。
この装置を、「イットリウム」「アルミニウム」「ガーネット」の頭文字をとって、「YAGレーザー」と呼びます。